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染色体相互転座があっても何回も妊娠にチャレンジすると最終的には成功する確率は高い

染色体相互転座である患者(男性か女性)の、妊娠成功率を調べた研究

相互転座の人が妊娠(&流産)を何度も繰り返した結果
最終的に妊娠に成功したのは6~7割

※妊娠12週を超えたケースを妊娠成功といっています.
(出産成功とは限らないが流産確率はかなり下がります)

男性と女性のどちらかに転座がある場合,流産確率は6~7割
つまり,統計的には3回妊娠すれば1回は妊娠成功する

ということが報告されているのがこの論文です。
名古屋市立大学の杉浦先生が報告されています.
Sugiura-Ogasawara, M., Ozaki, Y., Sato, T., Suzumori, N., & Suzumori, K. Poor prognosis of recurrent aborters with either maternal or paternal reciprocal translocations. Fertility and Sterility. 2004, 81(2), 367–373. http://doi.org/10.1016/j.fertnstert.2003.07.014

過去2回以上の初期流産経験があって,その後1回以上妊娠した1284組のカップルが調査対象となっています.
(抗リン脂質抗体を持つ患者にはアスピリン投与をおこなっている)

1284組中
染色体の異常がないカップルは1184組(92.2%)
核型異常をもつカップルは100組(7.79%; 男性34人・女性68人; 2人とも核型異常をもつカップルが2組)
うち転座 58人(4.5%; 男21 女37)
 ―相互転座 47人(男性18人・女性29)
 -ロバートソン転座 11人(男3 女8)
inversion 9 25人(男6 女19) ※9番染色体の逆位のこと?

※核型異常:染色体というのは正常だと2本が対になっていて,それが26対あります.
異常というのは,27対あったり,25対だったり,26対のうちどこかが3本だったり,1本しかなかったりなどといったものです.
私の理解が間違っていたらごめんなさい.

この1284組のカップルの流産率を見てみましょう
(2回以上12回までの初期流産したカップルが,その後妊娠して受診した時点から観察が始まっています
 データが記録された期間は1986年から2002年の16年間.長期間に渡るデータですね)

流産確率をまとめた表
杉浦転座論文


どちらにも核型異常がない場合の流産率:28.3%にたいして
女性が相互転座を持つ場合の流産率:72%
男性が相互転座を持つ場合の流産率:61%

と相互転座の流産率は高いです.
※染色体異常がみられない人でも,2回以上流産を経験しているカップルが対象なので、流産率は28%と高いのです

つぎに相互転座があっても妊娠に成功した人々の記録をみてみましょう

【男性側に転座のある18人のうち】
出産に成功したのは12人!!(67%)生後赤ちゃんの転座検査をしたのは5人でうち1人に転座あり
3回目で成功したのは6人,4回目2人,5回目3人,7回目1人
(この調査に参加するまえの妊娠(そして流産)の回数も含む)

出産できなかった6人がチャレンジした回数:4回目の流産が最後の記録になっているのが3人,5回目1人,6回目2人

【女性側に転座のある29人のうち】
出産に成功したのは20人!!(69%)生後赤ちゃんの転座検査をしたのは15人でうち8人に転座あり
3回目の妊娠で成功したのは2人,4回目7人,5回目3人,6回目4人,9回目2人,11回目1人,14回目1人

出産できなかった9人がチャレンジした回数:3回目の流産が最後の記録になっているのが4人,4回目2人,5回が2人,7回が1人

※妊娠成功にカウントされている事例のうち1件は,その後遺伝子異常(4q+)のため中絶されていますが,妊娠12週を過ぎていたので妊娠成功として記録されています.このカップルは3回目でこの中絶し,そのあと2回流産したあと記録が終わっています.記録が終わったのは出産をあきらめたのか,この病院に来るのをやめただけなのかはこのデータからはわかりません

※この調査以前に2回以上の流産を経験しているので,
 1回目で出産出来た人でも通算3回目以上です

一方,13回流産のあと14回目の妊娠で出産に至っている人もいます!
10回の流産のあと11回目で双子を出産している人も!


一方で,妊娠をあきらめた人で最も多かった妊娠回数は7回でした.
7回も流産を経験したのはどれほどつらい日々だっただろうか.
でも,もっと回数を重ねれば,出産できたかもしれません.

相互転座の人の流産の原因の85%は胎児の染色体異常でした.
残り15%のうちほとんどは不育症(抗リン脂質抗体症候群)が原因と思われるものがほとんどです.

どこまで、自分は出産にトライし続けるのだろう・・
杉浦先生とこの女性たちのお話をお聞きしてみたいです.

そして私だったら,着床前診断で、流産のおそれの高い染色体異常がわかるなら知りたい。
「また流産するのではないか」と恐れる日々を減らす可能性があるのです.


以下は転座がある人を対象に着床前診断を行ったという論文です.

おおたにクリニックの実績についての論文
Otani, T., Roche, M., Mizuike, M., Colls, P., Escudero, T., & Munné, S. Preimplantation genetic diagnosis significantly improves the pregnancy outcome of translocation carriers with a history of recurrent miscarriage and unsuccessful pregnancies. Reproductive Biomedicine Online. 2006, 13(6), 869–874. http://doi.org/10.1016/S1472-6483(10)61037-1

36名の出産経験のないカップルが調査に参加したが,
そのうち3名は、卵の採取ができなかったので33名が着床前診断の対象となった.
(この点は杉浦研究の妊娠してないカップルを対象にしていない点に対応)
33名のうち29名が相互転座、4名がロバートソン転座

33名の過去の平均流産回数は3.5回です.
流産の苦しみを繰り返した結果,着床前診断に望みをかけたのではないでしょうか.


着床前診断で正常と判断された胚の割合
相互転座患者の胚で22.7% (88の胚のうち20個正常) 一人平均22個の卵を採取してる
ロバートソン転座患者の胚で17.5%(491の胚のうち86個が正常) 一人平均約17個の卵を採取してる

顕微授精をして胚まで育った受精卵のうち,正常だったのは約20%なんですね
残りの80%は、自然妊娠だとしたら着床するまえに成長をとめてしまうかもしれない,
尿検査が陽性になる前に終わってしまうかもしれない,
尿検査陽性になっても化学妊娠の段階で終わってしまうかもしれない,
画像が確認できてから初期流産となるかもしれない胚たちです.
そして,正常でなかったとしても約1%は出産に至るそうです.
(おおたにクリニックホームページより)

着床前診断者33人のうち、遺伝子異常のない胚ができて,着床に成功して妊娠したのは319人(58%)
そのうち1人(5.8%)だけ流産となっています.残りの18人は12週以降まで妊娠を維持(妊娠成功)

着床に成功した場合には12週までの間に流産が1件しか起きていないというのが素晴らしいです!
流産を繰り返す人にとって「自分たちはいつまでも赤ちゃんを生むことができないのではないか」という不安,
特に安定期に入るまでの流産に対する強い不安を抱えることが一番の負担ではないかと思います.
従って,着床前にその恐れが5%にまで低減されることは,習慣流産患者の多くの希望となると思う。


参考 胎児の染色体異常検査について:
http://www.labcorp.co.jp/general/poc07.html

染色体異常率についてのデータ( Goddijn et al., 2004 )
1324組の2回以上の流産経験者のうち、41名に染色体異常。
うち、相互転座28名、ロバートソン転座3名、5名 pericentric inversions, 4名 paracentric inversions, 1名
marker chromosome
杉浦研究に近い確率と言ってよさそうです。

この41組を6年間追跡し、染色体異常のない74組と比較。
41組は合計で43回妊娠し、うち30が出産に至った(正常あるいは均衡型)。



※杉浦先生は、着床前診断によって妊娠成功率は上がっていないと、
 着床前診断で有名な神戸の大谷クリニックの大谷先生を批判している先生

着床前診断:顕微授精させた受精卵の遺伝子検査を行い,遺伝子異常を特定する診断方法.
        遺伝子異常がない受精卵を子宮に戻します.
        早期流産してしまうような遺伝子異常を事前に知ることができる方法.
        「どのような基準で,異常のある受精卵を排除するのか」という命の倫理の問題がつきまとう.
        一方で,出産を望む人にとっては3回,4回と流産を繰り返すような
        精神的にすさまじいダメージから守ってくれる希望でもある.私も希望します.

※着床前診断の費用:着床前診断は結構高いらしいので,顕微授精&流産で流産手術の民間保険の保険金をもらったほうが安いのかもしれません.私は流産手術の保険金が16万円でました.実際に手術&1泊入院にかかったのは7万円弱(健康保険3割負担分).7万円のうち3万円は,胎児の染色体検査費用です.流産の原因がなんだったのかを知る重要な手がかりになるので私は流産時の染色体検査をすすめられました.2回とも染色体異常であったことがわかりました.



私は,不妊クリニックで,医師に「私は着床前診断を希望している」ことを伝えています.
今はおおたにクリニックと一部の臨床試験実施病院でしか受けられませんが,
当事者たちの要望をつたえていくことで変わることもあると思います.


(特に不妊クリニックは商売として需要に敏感な側面もあるでしょうし,
 それが患者の苦しみを軽減することであればきっと検討してくれる医師も増えると思います)




着床前診断が可能になるまでに,もしも流産を覚悟して何度も妊娠にチャレンジするとしても
不妊クリニックにいって,妊娠の確率を上げる対策を取っていくのがいいと私は思います.

3万円くらいで様々な検査を受けて,妊娠の妨げになっていることがないかを調べてくれます.
ホルモン値,感染症の有無や子宮の状態,精子数を最初にしらべます.
その後は毎月のホルモンの変化,卵の成長具合などを超音波で調べてセックス日のアドバイスもえられます.
このアドバイスはかなり的確で,私は自分の体のことを客観的に知ることができてワクワクしました.

また,サプリをすすめる病院は3件中3件.つまりどの先生もすすめてくる~!
定番は葉酸ですが,他にアスタキサンチンやメラトニンもすすめられました.

アスタキサンチンについてはこちらのページに書いてあります.

メラトニンの効果についてはこんなブログがありました→生殖専門医のブログ
ちなみに私が飲んでいたメラトニンはこれです.


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追記:妊活用おすすめサプリについてまとめました.→こちら



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